むち打ち(首・腰・手足の神経症状)でお悩みの方

むち打ちとは

むち打ちとは,事故による急な衝撃により,頸部や腰部に過伸展と過屈曲が生じることにより起こる症状を総称したものです。

ムチがしなるのと同じよう運動をすることによって起こる症状なので,むち打ち症といわれています。


 もっとも,むち打ち症はいわゆる通称であり,正式な傷病名は、「頸椎捻挫」「頸部挫傷」「外傷性頸部症候群」などと呼ばれます。

後遺障害等級認定の重要性

同じむち打ち症で苦しまれている被害者でも,残存する症状が後遺障害として等級認定される場合とそうでない場合とでは,損害賠償額が大きく異なってきます。


例えば,専業主婦の方が交通事故によりむち打ち症を負った場合で見てみましょう。

次の事情を前提として損害賠償額を算定します。

・10か月病院に通院(週3日程度)し,治療費に100万円,通院のための交通費として5万円かかった。

・治療期間中のうち,100日分家事ができなかった。

・事故から10か月後,症状固定となり,損保料率機構により後遺障害等級14級に該当すると判断された。

この場合の主な損害賠償額を裁判所基準で算定すると以下のようになります。

①ケガによる損害金額

治療費
100万円
交通費
5万円
休業損害
102万1100円
計算式:1万0211円(専業主婦の休業損害日額)×100日
通院慰謝料
113万円(裁判所基準・赤い本別表Ⅱ)
合計
320万1100円

②後遺障害による損害金額

後遺障害慰謝料
110万円(裁判所基準)
逸失利益
80万6823円
計算式:372万7100円(専業主婦の賃金センサスによる年収)×0.05(5%の労働能力喪失)×4.3295(5年の労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)
合計
190万6823円

後遺障害等級14級が認められたことにより,

①ケガによる損害金額320万1100円

に加えて,

②後遺障害による損害金額190万6823円

が認められます。

※合計510万7923円


しかし,後遺障害の認定結果が非該当であれば,

得られる損害賠償は①ケガによる損害金額320万1100円のみで,

②後遺障害による損害金額は0円です。

※合計320万1100円


このように,同じようにむち打ち症の後遺症で苦しんでいる被害者でも,後遺障害として等級認定されない場合は,後遺障害による損害賠償を得ることはできないのです。

残存した症状が後遺障害として等級認定されることがいかに重要か,お分かりいただけたと思います。

後遺障害等級の認定されるためのポイント

 ①事故態様

むち打ち症が発症するのが不自然とはいえないといえるような事故態様であることが重要です。 

時速10キロメートルの車に衝突された等の軽微な事故によっては,そもそも事故と症状の発現との因果関係がないと判断されてしまう可能性があります。


②医療機関への通院実績

整形外科等の医療機関に積極的に通院を続けているかでことが重要な要素となります。

ちなみに、整骨院や接骨院は医療機関ではないため,これらの院だけに通い,整形外科等の医療機関に通院をしていない場合は,後遺障害等級の認定は非常に厳しくなります。


③症状の一貫性と連続性

頚椎捻挫や腰椎捻挫による神経症状として後遺障害が認定されるための重要な要素として,治療期間中に被害者の症状が一貫していることや,継続していることが非常に重要になってきます。  


④症状の重篤性と常時性

重篤性

後遺障害とは,将来においても回復が困難と判断される症状ですから,残存した症状が後遺障害といいうる一定の重篤性を備えている必要があります。

例えば,「こっている」とか「違和感がある」や「だるい」といった症状のみの場合には非該当と判断される例が多いようです。 

被害者としては,重い症状であるのに,軽い症状であるかのような記載がされることがないよう,主治医に対してご自身の症状を正確に伝えることが重要です。

常時性

後遺障害は「常時疼痛を残すもの」とされているので,普段は症状が出ないものの,雨の日に限って症状が出現する等症状である場合には,後遺障害として認定される可能性が低くなります。

被害者としては,重い症状であるのに,軽い症状であるかのような記載がされることがないよう,主治医に対してご自身の症状を正確に伝えることが重要です。


⑤画像所見

神経症状の画像所見については、レントゲンやCT画像だけではなく、MRI画像で、症状の原因となっている所見を得られるかがポイントとなってきます。


⑥神経学的所見

神経根の障害を調べる神経学的テストで、頚部ではジャクソンテストやスパーリングテスト、腰部ではラセーグテストやSLRテスト、FNSテストが主たる神経根誘発テストと言われています。

これらの神経学的所見と、自覚症状とが整合する場合には、14級9号の認定が認められる可能性が高まり、神経を圧迫している等の画像所見もある場合だと、12級13号の認定が認められる可能性も高まります。

なかま法律事務所は,後遺障害認定手続きに注力しています!





jikosoudan